
- まだ新人看護師だけど、仕事がつらくて適応障害になってしまった。
- 休職中だけど復職を考えると不安になる。
- 今後どういう働き方をすればいいかわからない。
このような悩みに応えるために、本記事では以下を解説しています。
新人看護師は本当につらいですよね。
責任は重いし、先輩は怖いし、勉強しなきゃいけないし、ストレスフルな毎日だと思います。

今では看護師8年目になるわたしですが、実は新人のときに適応障害で休職していました。
なので、あなたの不安な気持ち、とてもよくわかります。

わたしの場合は1ヶ月半ほど休職したのち、部署異動をして復帰しました。休むのも復帰するのも怖かったですが、復帰してからは普通に看護師を続けられています。
今回は、わたしの経験をもとに適応障害で休職を勧められた・休職する新人看護師に向けて、対処法を解説したいと思います。
実際にわたしが適応障害で休職したときの体験談も入れて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
また本記事では、看護師資格を活用した副業もお伝えしています。
病院で働く以外の方法に興味がある方は、そちらもチェックしてみてください。
それでは本題に入ります。
目次
そもそも適応障害とは?
適応障害とは特定のストレスによって心身の不調が起こる病気です。
- 抑うつ
- 強い不安
- 不眠
- 吐き気
- 動悸や息苦しさ
- 下痢・便秘
といった症状があります。

わたしの場合、仕事に行こうとすると吐き気・動悸・腹痛・下痢があらわれて、出勤が困難でした。
休職中はずっと抑うつな気分で、仕事のことを考えると強い不安感がありました。
適応障害を治すには、まずストレス環境から離れること、次に再発を予防することが重要です。
新人看護師が適応障害になる5つの原因
新人看護師が適応障害になる原因は、主に以下の5つです。
- 先輩看護師の指導がこわい
- いじめ・パワハラを受けた
- ダメな自分に嫌気がさした
- 残業ばかりで疲れがとれない
- 毎日勉強で自由時間がない
新人看護師特有のものもあれば、年数に関係なく起こり得るものまであります。
ひとつずつ順番にみていきましょう。
①先輩看護師の指導がこわい
指導してくれる先輩がいるのはありがたいですが、言い方がキツかったり、責められるような指導を受けると精神的につらいですよね。
なかにはその日の気分で態度が違う先輩もいるので、もう付き合っていられません。

声のトーンや表情をみて、その日の先輩の機嫌をチェックしていましたね。「あ、今日は大丈夫な日だ」とか「今日は怒らせたらダメな日だ」という感じ。
先輩看護師がこわいと、気軽に相談できないどころか萎縮してしまって余計なミスを起こすこともあります。
新人でも安心して仕事するための指導係なのに、指導の先輩が怖くてミスをするのは本末転倒です。
②いじめ・パワハラを受けた
いじめやパワハラが原因で適応障害になる新人さんもいらっしゃるでしょう。
男性看護師が増えているとはいえ、看護師の職場はまだまだ女性が多いです。
よって、女性特有の面倒な人間関係が発生し、それが発展すると「悪口」「嫌味」「仲間はずれ」といったことが起こるのでしょう。

上司に相談しようと思っても、上司がいじめ・パワハラの中心になっていることもあるので困りますよね。
師長さんはあてにならないと思ったので、わたしはパワハラの窓口である人事部に直接報告しました。
いくら仕事が忙しくて余裕がないからって、新人看護師に八つ当たりしていいわけではありません。
新人さんが悪いわけじゃないです、自分で自分の機嫌をとれない先輩が悪いのです。
③ダメな自分に嫌気がさした
効率よく仕事を進められなかったり、看護技術がなかなか自立できなかったりして、ダメな自分を責めてしまう新人さんもいらっしゃると思います。
なかなか成長を感じられず、自己嫌悪してしまうかもしれません。

私もそうでした。みんなは普通にできているのに、なんで自分はできないんだろうと本気で思っていました。
成長速度は人それぞれとわかっていても、つい同期と比べてストレスを感じてしまいます。
④残業ばかりで疲れがとれない
通常の業務時間を過ごすだけでも大変なのに、残業となると心身ともに疲れが溜まりますよね。
看護師は緊急入院や急変対応など、突発的な業務が発生するため、もともと残業しやすい職業です。
それに加えて新人さんは
- まだ業務に慣れてない
- 何をするにも先輩のチェックが必要
- 終業後に1日の振り返りをする
- 定期的なプリセプターとの面談がある
といった理由から、新人ならではの残業理由があります。
病院によっては、暗黙の了解で新人さんには残業代が出ないとされていることもあり、せっかく頑張っているのに残念な気持ちになる方もいるかもしれません。
⑤毎日勉強で自由時間がない
新人看護師はとにかく毎日勉強です。
知識がないと看護師として業務できないのは確かですが、あまり追い込みすぎると大きなストレスになってしまいます。

明日〇〇さんの尿カテ挿入やってもらうから、勉強してきてね。
という感じで、毎日何かしらの課題を与えられます。

- 絶対明日までに覚えなきゃ。
- 調べておかなきゃ怒られる。
- 緊張して上手くできないかも・・。
というプレッシャーを抱えているだけでなく、家に帰っても勉強しなければならないという時間的な制限もあるため、心も身体も休まりません。
これが毎日続くと少しづつストレスが溜まり、適応障害につながることがあります。
退勤後くらい、自由に過ごしたいですよね。
適応障害で休職を勧められた新人看護師がとれる5つの選択肢
メンタル不調により精神科や心療内科を受診すると、医師から休職するように勧められることがあります。
とはいえ、本当に休職するか悩む方も多いでしょう。
ここでは新人看護師が休職を勧められたらどうすればいいのかを解説します。
新人看護師が休職を勧められたときの選択肢はこちらの5つです。
- 休職を受け入れる
- 通院しながら働く
- いったん連休をもらう
- 別のクリニックで相談する
- すぐに退職・転職する
休職するのはとても勇気のいることだと思います。
なので、以下の解説を読んでじっくり考え、納得のいく選択をしてくださいね。
①休職を受け入れる
今の自分には長期的な休養が必要だと納得しているのなら、休職を受け入れましょう。
もし休職に抵抗があったとしても、医師から休むように言われたのであれば、身体にとってはそれがベストです。

わたしも休職するように言われたときはとても不安になりましたが、最終的には休職して良かったと思いました。わたしの人生で必要な時間だったと思います。
休職をする場合、多くは診断書を発行してくれます。
診断書をもらったら、直属の上司(師長さんなど)に電話して
上記3点を報告・確認しましょう。

わたしが休職したときは、受診した直後にそのまま心療内科の駐車場で上司に電話しました。緊張でものすごい動悸でしたが、上司にはあまり深く詮索されず電話が終わり、もう仕事行かなくていいんだな〜と安心したのを覚えています。
休職が必要と言われたら、できれば指示に従い心身の回復を優先しましょう。
②通院しながら働く
医師から休職を勧められたけど
- 休むのは罪悪感がある
- 職場に戻れなくなりそうで怖い
- 自分は休職するほど病んでない
といった気持ちから素直に休職を受け入れられない場合は、とりあえず通院しながら働く選択肢もあります。
いざとなったときの相談先があるだけでも心が楽になるでしょう。

わたしが初めて心療内科を受診したとき、看護師さんに話を聞いてもらっただけで心が軽くなったのを覚えています。来てよかったと思いました。
お薬を出してもらえば症状が改善されて、仕事を続けられることもあります。
通院しながら働いてみて、やっぱり無理だと思ったら診断書を出してもらうことも可能です。
ただ、あまり我慢しすぎるとうつ病に発展したり、仕事でミスを連発して余計に落ち込んだりする可能性があります。
無理のしすぎは禁物です。
③いったん連休をもらう
休職するか迷って決断を出せなさそうであれば、ひとまず数日間の連休をもらうのもひとつの手です。
その場ですぐに回答できなくても仕方ありません。

急に休めと言われても困っちゃいますよね。
とりあえず師長さんに事情を話し、勤務調整をお願いしましょう。
伝え方としては「ストレスで体調を崩して通院しているのですが、連休をとって一度しっかり休みたくて、勤務調整していただけますか?」という感じで相談するのがおすすめです。
連休中に少し休みつつ、休職の判断をするのが良いと思います。
④別のクリニックに相談する
「医師から休職を指示されたけど納得できない」「医師と相性が悪くて相談づらい」と感じる場合は、別のクリニックに相談してみるのもありです。
他の先生は違う診断をするかもしれないし、もっと相性のいい先生に出会える可能性もあります。

先生も医者とはいえ人間ですから、色々な人がいます。
メンタル不調を早く治すには、安心してコミュニケーションを取れる先生にみてもらうのがけっこう大事です。
⑤すぐに退職する
休職はせず、すぐに退職しようと考える方もいらっしゃると思います。
ですが、即退職はあまりおすすめしません。
なぜならデメリットの方が大きいと感じるからです。
適応障害になってすぐ退職すると、次のような悲劇が起こるかもしれません。
- 収入が途絶える
- 奨学金の一括返済を求められる
- 早期離職となり次の転職に影響する
休職なら働かなくても傷病手当をもらいながら生活できて、早期離職も避けられます。
なのにすぐ退職してしまうのは非常にもったいないです。

どうせ退職するなら、いったん休職して傷病手当をもらいつつ、転職サイトの登録や求人をリサーチをする時間として活用するのがおすすめです。
申請すればもらえるお金と時間があるのですから、どうせなら頂いてから退職しましょう。
休職して体調や気分が安定したら、気持ちが変わる可能性もありますからね。
そういう意味でもすぐ退職するのは避けるのが無難です。
ただ、病院そのものがストレスになっていて、休職中の上司とのやりとりも苦痛が大きいのであれば、すぐに退職した方がいいかもしれません。
看護師転職サイトでは、転職はもちろん、退職の相談にも乗ってくれるので、ぜひご活用ください。
実施わたしも利用したおすすめの看護師転職サイトはこちらです。


ナースパワーは全国の看護師転職に対応していて、LINEで連絡をとれるので便利です。常勤・パート・派遣など幅広い働き方の求人に対応しているのが特徴です。
転職の可能性がある方は、今のうちに登録して求人情報をリサーチしたり、キャリアについて相談したりしておきましょう。
適応障害で休職した新人看護師におすすめな6つの対処法
ここからは、適応障害で休職する新人看護師向けに、おすすめの対処法をお伝えします。
こちらの6つです。
- 休職中は回復に専念する
- 何がストレスになっていたかを振り返る
- 勤務環境・勤務時間・雇用形態の調整をお願いする
- 部署異動を希望する
- 退職・転職する
- 副業で稼ぐ力をつける

わたしの場合は①②④⑥を行うことで、退職せずに解決できました。
それぞれ詳しく解説します。
①休職中は回復に専念する
まず休職したら回復を最優先に生活しましょう。
なにをするにしても、心身の状態が整っていなければ良い結果は得られません。
初めは不安や罪悪感があるかもしれませんが、仕事を忘れて自由気ままに過ごすのが大切です。
具体的には
- 好きな時間に寝起きする。
- 好きな時間にご飯を食べる。
- 好きなところにお出かけする。
- ひたすら趣味に没頭する。
といった感じです。

家にいるとどうしても仕事のことを考えてつらくなるので、1000ピースのジグソーパズルに没頭して考える時間を作らないようにしました。おかげでジブリの巨大パズルが2つも完成して、置き場所に困りました。
思う存分やりたいように過ごせば、心が回復してきます。

わたしの場合、休職直後は抑うつ状態で1日中ベッドにいましたが、ゆっくり休んで心が回復してくると、なぜか仕事したいと思えるようになりました。
自然と働きたい気持ちになるまでは、とことん自由に過ごしましょう。
②何がストレスになっていたかを振り返る
不安や憂鬱な気持ちが落ち着いてきたら、ストレスの原因を探ります。
何がストレスになっていたのか分かれば、同じ失敗をせず復職・転職を成功させられるからです。
頭の中で考えてもわからなかったら、紙に書き出してみるのが良いでしょう。
可視化することで情報が整理されてわかりやすいのでおすすめです。
例えば、わたしが新人のときにやった振り返りはこのような感じでした。
- 先輩に冷たくされた
- 駆血帯を投げつけられた
- 責めるような指導をされた
- 理不尽態度に振り回された
- 怒られて泣きながら申し送りをした
- 他の看護師の悪口で盛り上がっていた
- 先輩が怖くて話しかけるのに勇気がいる
このように、仕事をしていて自分が苦痛に感じたことを書き出します。
すると共通するものが見えてくるので、それを避けられる職場へ復帰・転職すると、自分に合った環境で長期的に働ける可能性が高いです。
わたしの場合は全て職場の人間関係に関するストレスだとわかったので、一緒に働く看護師が変われば解決できると考え、部署異動を決断しました。

看護の仕事が嫌いなのではなく、職場の人間関係が嫌いなだけだと気づいたので、関わる人が変わればOKということです。
自分の素直な気持ちにしたがって、シンプルに考えるのがコツです。
なんでもいいので紙とペンを持って、やってみてください。
③勤務環境・勤務時間・勤務形態の調整をお願いする
もし元の部署へ復帰する場合は、勤務環境・勤務時間・勤務形態の調整をお願いすることを強くおすすめします。
せっかく休職して体調が整ったのに、前と同じ条件で働いたらまた体調を崩す可能性が高いからです。
具体的な調整内容はこちらです。
- プリセプターを変えてもらう
- 受け持ち患者の人数を減らしてもらう
- 事前学習課題の提出を減らしてもらう
- 1日の振り返りは勤務時間内にしてもらう
- 日勤のみの働き方にさせてもらう
- 時短勤務・パートに変更してもらう
このように、ストレスを受けにくい働き方ができるように調整してもらいましょう。
師長さんと面談をしたときなどに相談するのがおすすめです。
④部署異動を希望する
新人さんが適応障害で休職したとき、一番おすすめの対処法が部署異動です。
転職ぜず新しい環境でやり直せるという大きなメリットが得られます。
元の職場に戻れば同じことの繰り返しになるリスクが高いし、転職するにしても必ずいい職場に出会えるとは限りません。
部署異動なら、ある程度事情を理解したうえで受け入れてもらえます。
なので、少なくともパワハラをしてくるような人をプリセプターにつけることはないでしょう。

わたしも部署異動で成功したうちの一人です。
院内でうわさされたり、前の職場の人とロッカーで会ったりするかも、と思いますよね。
わたしもそこが心配でしたが、廊下で会ったときに「元気?」「新しいとこ慣れた?」と普通に話しかけてくれて安心したのを覚えています。
意外とあなたを心配してくれている先輩もいると思いますよ。
⑤退職・転職する
勤務環境の調整や部署異動が難しいのであれば、退職・転職を選択しましょう。
なにも調整せず復職しても、同じことの繰り返しになる可能性が非常に高いです。
電話でも直接でもいいので、師長さんに退職の意思を伝え、退職届の書き方や提出方法を確認しましょう。
そして、転職するときは自分にあった職場を選べるように「看護師転職サイト」でしっかりサポートしてもらうことをおすすめします。
わたしがおすすめする看護師転職サイトはこちらです。

わたしもナースパワーさんにお世話になりましたが、希望条件にあう求人を細かい情報まで一覧表でまとめてくださって、とてもわかりやすかったです。
転職するか分からないけど、ひとまず情報収集だけしたいという場合も利用できるので、今のうちに上記リンクから登録しておきましょう。
⑥副業で稼ぐ力をつける
適応障害で「自分は看護師に向いてないかも・・」と落ち込んでいる新人さんにとくにおすすめなのが、副業で稼ぐ力をつけることです。
自分で稼ぐ力を身につけられれば、いつ退職してもいいと思えるし、自信もつきます。

わたしが副業を始めたのも、適応障害になったのがきっかけでした。今ではWebライターの副業で月3万円ほどの収入があります。

ということで、新人看護師が副業をするなら「Webライター」をおすすめします。
Webライターとは、ネット上に掲載するコラム記事などを作成するお仕事です。
未経験でも始めやすい副業として人気があり、必要な資格もありません。
以下の記事ではWebライターの仕事内容や始め方をわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
わたしもそうですが、看護師の場合は医療の知識や経験を活かして「看護師ライター」として活躍している方も多いです。
看護師ライターに興味がある方はこちらの記事も見てみてくださいね。
ちなみに、副業禁止の病院で働いている新人さんは、こちらの記事も参考になると思います。
適応障害で休職する新人看護師によくある疑問
適応障害になった新人看護師が、休職するときに抱きやすい疑問を4つピックアップしました。
さくっと回答していきます。
新人看護師が適応障害になっても大丈夫。ひとまず休職しよう
本記事では、新人看護師が適応障害になる原因や対処法について解説してきました。
もしメンタルクリニックを受診して休職を勧められたら、選択肢は次の5つです。
- 休職を受け入れる
- 通院しながら働く
- いったん連休をもらう
- 別のクリニックで相談する
- すぐに退職・転職する
できればひとまず休職するのがベストですが、抵抗がある方は無理なく過ごせるよう②〜⑤の方法をご検討ください。
また、新人看護師が適応障害で休職するときの対処法は次の6つです。
- 休職中は回復に専念する
- 何がストレスになっていたかを振り返る
- 勤務環境・勤務時間・雇用形態の調整をお願いする
- 部署異動を希望する
- 退職・転職する
- 副業で稼ぐ力をつける
上から順番にできそうなものを試してみてくださいね。
転職を考えている方は、こちらの看護師転職サイトに登録すればプロのコーディネーターがしっかりサポートしてくれるのでおすすめです。
転職の相談はもちろん、退職の相談にものってくれるので、強い味方になるでしょう。
もし看護師として病院で働くのがつらいなら、副業でWebライターに挑戦してみるのもおすすめです。
Webライターを始めるのに特別な知識や資格はいりません。
医療の知識・経験を活かして看護師ライターとして活躍している方もたくさんいます。
初心者向けに9ステップで解説しているので、ぜひこちらの記事を参考にやってみてください。
一人でも多くの新人看護師さんが、看護師の資格を活かして自分らしく働けることを願っています。
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それれは。